Amazon の戦略は個人の生き方にも適用できる

Amazon 世界最先端の戦略がわかる

どうもこんばんは。

肉球 (@nikuq299com) です。

 

Amazonが世界の国境線を超えて独自の経済圏を作るのではないか、と思わせる Amazon世界最先端、最高の戦略 (著: 成毛 眞)を読了したので、ここに記録します。

恐らく、日本でも多くの方がAmazonを利用していると思われますが、そのAmazonはどのような仕組みで今日のような地位を築いてきたのかを知りたく、本書を手に取りました。

 

はじめに

ポイント1

この本はビジネスと共に、個人の生き方も参考になります!

 

以下は、Amazonサイトから引用したこの本の説明文です。

「赤字でも株価が下がらない仕組み」「驚異的なアマゾンのキャッシュフローはどうやって可能にしているのか」「採算を度外視してまでもサービス過多なのは、ライフスタイルに入り込みたいから」「アマゾンの真の凄さはテクノロジー」など、元マイクロソフト社長が最新の経営とは何かを説明します。

 

Amazonは1995年に書籍のネット販売業者としてスタートしましたが、今は何でも売る企業どころか、IT、物流など、小売以外の業界への進出も著しいです。

Amazonは秘密主義で有名ですが、そんなAmazonの最先端経営、最高の戦略について、元・日本マイクロソフト社長の成毛眞さんが自身の経験、知見を踏まえてわかりやすく解説してくれます。

 

Amazon 世界最先端、最高の戦略 の書評

ポイント2

今を生きている人は知っておいてほしい内容です!

 

おすすめする読者層

とにかく、現在を生きている人は読んでおくべき内容です。

私達は、自分でAmazonを使っている、使っていないにかかわらず、どこかで必ずAmazonのサービスを利用してると言えるくらい、Amazonは私達の生活に溶け込んでいます。

Amazonが私達の生活にどれだけ深く根付いているかを知るには、本書が最適です。

また、Amazonの説明文の通り、Amazonがなぜここまで成長できたのか、そしてこれからどこに向かっていくのかを知ることができ、ビジネスパーソンには必須の内容だと思います。

そして、Amazonの戦略は、本質的には個人の生き方にも適用できると思っています。

 

ネタバレしない程度の感想

世界最先端、最高の戦略とは

Amazonがとっている世界最先端、最高の戦略の結論は、わからない!です。

著者も本書で、ジェフ・ベゾス自体、全体を把握しきれていないのではないかと言っています。

 

ただ、ベゾスには明確なビジョンがあり、Amazonはそれを体現していると強く感じました。

Amazonの社是は、「顧客の利益を最重要視する」であり、ベゾスは自社をロジスティクス企業と語ります。

ロジスティクスと聞くと物流を思い浮かべますが、本書では「兵站」と訳していました。

ロジスティクスをWikipediaで調べると、下記の記載があります。

ロジスティクスとは、サプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービス、および関連する情報を計画、実施、およびコントロールする過程である

 

物流だと抽象的すぎるので、Wikipediaの記載内容のほうがAmazonの説明にしっくりくると思います。

ただ、「Amazonの顧客」は、私達のような一般エンドユーザだけでなく、同業の小売業者からIT企業まで、様々な分野に存在します。

 

Amazonの影響力

前述したとおり、Amazonの顧客はエンドユーザのみならず、同業者である小売業も含めた一般企業も対象です。

この多角化したAmazonの経営により生まれた言葉が「アマゾンエフェクト」です。

アマゾンエフェクトは、Amazonによる地球規模での (業界、企業) 生態系の再編を指します。

著者は、Amazonの活動が個別の企業の消滅だけでなく、産業そのものの消滅、または全く新しい産業の勃興を起こしており、これが地球規模で起きていると言います。

日本でも身近な企業として、トイザらスがありましたが、トイザらスの倒産は、Amazonとのやり取りの過程でインターネットの可能性を見誤ったことが理由です。

こういった企業のリストが、Death by Amazonとして、2017年1月自転で54銘柄がリストアップされていると言います。

 

Amazonと日本企業の違い

まさしく、「将来への投資」でしょう。

本書から「Amazonは成長するための投資を惜しまない」と読み取りました。

そして、投資するための資金繰りが上手く、これは理系出身のベゾスならではの手法ではないか、と著者は言います。

その事例の一つが、Amazonのキャッシュ・コンバージョン・サイクル (CCC: Cache Conversion Cycle) に現れています。

会計にはCCCという指標があり、これを簡単に説明すると、売上を何日で現金化できるか?と言うことです。

一般的に (というか、私の知識では)、企業の売上はスーパーやコンビニからエンドユーザが商品を買う小売のように、商品を即現金に変えるという事はせず、資材の購入金額は売掛金 (いわゆる、ツケです) として計上し、例えば月末にまとめて売掛金を払ってもらうという流れになると思います。

この例だと、例えば当月1日に売り上げた場合、月末が30日だとするとCCCは30日となります。

これが何を意味するかと言うと、30日間、会社の金庫から資材を売った会社へお金を貸している事になります。

そうなると、売上滝行は現金が手元から減るわけなので、自社への投資を行えません。

 

本書によるとAmazonのCCCは、約マイナス30日といいます。

これがどういう意味かと言うと、商品を売る前にお金が手元に入ってくるということです。

この資金を絶え間なく自社へ投資することで、Amazonは成長を続けているのです。

この詳細は、本書で確認してみてください。

 

Amazonと日本企業の投資スタンス

若干、本書と話がそれてしまいますが、前述した投資スタンスについて、Amazonと日本の差を考察してみました。

以下は2018年3月1日の日経新聞記事の引用です。

企業の内部留保、過去最大417兆円 17年末、法人企業統計

2018/3/1 10:39
 財務省が1日発表した2017年10~12月期の法人企業統計によると、昨年末時点の金融業と保険業を除く全産業の利益剰余金(内部留保)は、前年同期比11.2%増の417兆2895億円だった。過去最高を記録した。今回は資本金1000万円以上の企業を対象とした暫定値で、9月発表の17年度調査で確定する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

Amazonが生み出した利益をひたすら自社への投資に回しているにもかかわらず、日本企業は全体で日本のGDPに匹敵するほどのお金を貯金箱に眠らせています。

日本がデフレから脱却できない原因は、結局これに尽きると思います。

日銀がどれだけお金を刷っても、企業は貯金箱に入れてお金を溜め込み、溜め込んだお金から回す投資も、日本国内でなく、外国に流れる。

まさしく、政府がお金を無尽蔵に刷り、全てが大企業の貯金箱に流れているだけで、私達日本国民は、見返りのない借金を増やされ続けているだけですね。

この状況は、当然Amazonとの生産能力は開き続けることになります。

政府には、消費税の増税とか、緊縮財政とか、日本国民からお金を搾り取るようなことばかりせず、裕福層の貯金箱にたまった貯金版この中身を再分配するなど、日本国民のためになる政策を作って欲しいものです。

再分配を含めた投資は日本の再興、そして日本企業がAmazonを追随するための原動力になるはずです。

 

まとめ

まとめ

イチ企業の戦略を記した本だが、個人の人生にも適用できる内容です!

 

本書は、Amazonというイチ企業の戦略を解説したものですが、その戦略の本質は、個人の生き方にも適用できるものです。

特に目からウロコだった、AmazonのCCCがマイナス30日となる件も、非常に興味深かったです。

私はミニマリストを自称しており、家の据え置き家電はiMacしかありません (冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などもなし)。

基本的にモノを買わないので、少ないお給料でも少しずつキャッシュが増えます。

そうなった時に、このキャッシュをどのように活かすかを考えさせられました。

銀行に預金して眠らせておくのか、自分のために投資するのか、という判断は、5年、10年というスパンでなく、私が死ぬまでの人生を考えた上で、今どうやってキャッシュを使うべきかを真剣に考えなければならないと思いました。

何かを成し遂げた企業の哲学は、個人の人生でも大いに役立てることができると思います。

 

本書には、今回の記事で説明していない「ネットワーク効果」や多角経営による強み (ホリエモンが言う多動力) など、他にも、考えさせられるキーワードがたくさん出てきますので、お時間がありましたら、ぜひ手にとって詳細を読んでみてください。

 

 

それでは。ごきげんよう。

 

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