どうもこんばんは。肉球 (@nikuq299com) です。
少し前に読んだ、10年後の仕事図鑑 (著: 堀江 貴文、落合陽一) を紹介します。
出版元はSBクリエイテイブ、著者は、堀江博文氏と落合陽一氏です。
この本は、AIの発達により、現状がどのように変わっていくかをわかりやすく説明していますので、AIに興味がある方は、ぜひこの書籍を手にとって読んでいただきたいです。
はじめに
特に中年以上の方におすすめします。
この本は、あくまで著者が予測する未来であり、読者は予測された未来を仮説として、今後の人生計画を立てる、という使い方をすべき内容です。
本書の記載内容は確定した未来ではないため、取り違いのないようにしましょう。
(もしかしたら、将来はこうなるかもしれないよ?というくらいの内容だと考えてください)
以下は、Amazonのサイトから引用した、この本の説明文を一部抜粋したものです。
AI(人工知能)、仮想通貨、LIFESHIFT、ホワイトカラーの終焉……。
10年後どころから5年先すら予期できない今、今の仕事、会社、社会、キャリアはどうなるのか。今世界で最も注目される日本人研究者落合陽一氏と、圧倒的な行動力で時代の最先端を走り続ける堀江貴文氏が、お金、職業、仕事、会社、学校など、今考えられる新たな社会の姿を余すところなく語ります。
この本は、堀江貴文 (以降、堀江) 氏と落合陽一 (以降、落合) 氏が経営者の視点で、テクノロジーの急速な進歩に伴う社会の有り様の変化を予測し、この変化に対応するために、個人はどうするべきか、という内容を綴っています。
10年後の仕事図鑑 書評
仮説を立てて将来に起こりうる問題の対策を考えよう!
この本を選んだ理由
私の従事する業界は、AIに取って代わられる斜陽産業の筆頭と言われており、興味があったからです。
この手の話は、インターネットでも多くの情報を入手できますが、一般人がニュースを見て論じるような、どこかで聞いた話が多いですよね。
私は著者のような「経営者」の視点でこの問題を論じる時に、10年後の仕事はどのよに変わっているのかを知りたく、この本を選びました。
著者の情報
当書の著者は2名です。
堀江 貴文
ホリエモンこと、堀江貴文氏です。
若くして起業し、Livedoor社長時代に、球団買収、テレビ局買収、衆議院選出馬など、世間を賑わせました。
2006年に証券取引法違反で逮捕されましたが、2013年後の仮釈放後、執筆やオンラインサロン運営など、積極的な活動を行っています。
私は堀江氏の考え方全てを肯定する気にはなれませんが、この人の文章を読むと、やはり問題の本質を捉える力に長けているな、と思わされます。
堀江氏への好感度は極端に二極化していると思われますが、失敗を恐れない行動力と、問題の本質を的確に捉える洞察力は素晴らしいものがあるため、感情にとらわれずに堀江氏の著書を読んで、その考え方を知ることは、自身の知見を増やすためにも決してマイナスにはならないと考えています。
先日、堀江氏の別著書についてレビューを行ったので、よかったら読んでください。
落合 陽一
今、日本で最も露出の多い研究者ではないでしょうか。筑波大学 准教授 (兼 学長補佐)、メディアアーティスト、ピクシーダストテクノロジー株式会社 代表取締役社長、etc…という肩書を持っています。
最近では、落合氏の写真が、「さよなら、おっさん」で物議を醸した News Picks Magazine の表紙に載り、あちこちに落合氏の写真を見たことはは記憶に新しいです。
ニューズピックスマガジンを創刊します。表紙は落合陽一!
ニューズピックスブック、ニューズピックスコミック、ニューズピックスマガジン。幻冬舎とニューズピックスは出版をアップデートし続けます。ニューズピックスマガジンはニューズピックスアカデミア会員には無料配布 https://t.co/dDIkMHWmbQ— minowa2.0/箕輪厚介 (@minowanowa) June 1, 2018
私が落合氏に抱いた最初のイメージは、「芸術家だなあ」、でした。
ツイートで発信する内容は独特で、表参道で開催していた個展「落合陽一、山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」も、なかなかに個性的で、作品を通して落合氏が表現したかったことを、その場で理解できませんでした。
その後、落合氏の魔法の世紀を読んでから、落合氏のバックグラウンドや研究テーマを自分なりに理解し、その方向性にすごく共感できる内容です (まだ読了してません)。
専門分野にかかわらず情報工学を専攻した方であれば、同様の共感を持ってもらえると思います。
本の概要
著者は、テクノロジーの急速な発達により、過去に築き上げられた常識が通用しなくなってきている現在の有り様を説いています。
実際に、10年前にスマートフォンがこれだけ世間に普及し、生活を変えることを予想できた人はいないのではないでしょうか。
テクノロジーの急速な発達による未来の変化は10年後どころか、数年後に、もしかしたら20年後に起きるかもしれませんが、下記4点を予測することで、今後、生きるための戦略を考えよう、という趣旨の本です。
- なくなる仕事
- 減る仕事
- 生まれる仕事
- 伸びる仕事
そして、著者は働き方の変化と一緒にお金の有り様も変化すると説いています。
これは、著者が別の書籍でも繰り返し述べていることですが、今後の世の中は、貨幣中心の経済から信用中心の経済へとシフトしていき、個人は会社の名前でなく、自分の名前で仕事をする時代がやってくるといいます。
AIが発達した世界は、仕事がなくなると言いますが、それは見方を変えると、面倒な仕事は全てAIが片付けてくれるので、人間は時間に余裕ができるということです。
こういった状況で、私達個人がどう生きていくか、を議論しています。
ネタバレしない程度の感想
以下は、当書の序章の一文ですが、この本で言いたいことは、ここに凝縮されていると思います。
でも、よく考えてみてほしい。1度きりの人生に、不安を持ち込むことに何の意味があるのだろうか。
どんな人間でも人生は有限であり、1回しかありませんが、それをどこまで意識しているか、ということだと思います。
人生が有限であることを意識している人ほど、立ち止まることを嫌い、前に進んでいくのだと思います。
これは私にも耳が痛い言葉ですが、私達が考えている現状維持は、目まぐるしい進歩を遂げる現時点において、現状維持にすらなっていないということだと考えます。
AIの台頭が近づいているかもしれませんが、それを不安に思い、何もせずに手をこまねいていることに、意味はありません。
残念ながら、親や学校から教えられた幸せのモデル (良い学校を卒業して、良い会社に入って、結婚して、家を買って、退職後は年金で悠々自適に暮らす) は、もうほとんどの人にとって難しいものとなっていることは、実感している人も多いのではないでしょうか。
著者はその現実に対して、どのように向かい合っていくか、ということを問いかけているのだと思います。
いつの時代も、変化はつきものです。
テクノロジーの急速な進化による大きな変革はありますが、我々人間には、これまでに積み上げてきた歴史があります。
歴史を学んでいるからこそ、本書のような未来の仮説を立てることができ、我々はその仮設を元に対策を打つことができます。
著者は、これまでの歴史や自身の体験から、下記の問題提起を行っています。
- 組織から個人へシフトする働き方
- なくなる仕事と生まれる仕事
- 物質的な「マネー」から「信用」が価値を紡ぐ
- 日本の幸福と社会とはなにか
- 「自分の人生」を生きるとはなにか
私達は、AIが台頭する前に、この問題提起の仮説を取得できているわけですから、それまでに十分な対策を練ればよいのです。
そういった意味で、そう遠くない未来に起こりうるAI全盛時代に向けて、どのような対策を打つべきか考える事ができる本書は、一読の価値があると思います。
まとめ
今までの生き方をふりかえり、未来に向けてどうするべきかを考えさせられる1冊です!
本書は、良くも悪くも変わり続けていく今後の世界で、自身はどのような選択をとるべきか、を考えさせられる1冊でした。
著者は、好きな事をして生きろ!という事を強く説いていますが、世の中には変われない (変化についていくことが難しい) 人もたくさんいます。
そういう前提を置いた中で、自分の立ち振舞を考える良い機会になりました。
また、これは私見ですが、AIができる事は、あくまで単純労働であり、今の人間の仕事はそんな単純なものではないはずです。
デスクワークしている人は、日々の定形作業から開放され、本来行うべき創造性の高い仕事に集中できますし、工場でライン作業をしている人も、単純な作業をAIに任せて、作業員はカイゼン作業に集中できます。
どんな人でも、どのような仕事でも、人間は楽をするために、常に知恵を絞っており、この知恵を絞る作業はAIで代替できないものだと思います。
「AIの台頭 = 暗い未来」でなく、「AIの台頭 = 楽ができる」と考えると、著者が言わんとしていることを汲み取れるのではないかと考えます。
堀江氏、落合氏共に日本の先端を行く人達からすれば、本書に書いていることは息を吸うようなことなのでしょうが、全ての人間が著者たちと同じ行動を取れるかというと、それは難しいと思います。
ただ、私は著者が言っている、戦後から全く変わらない社会の仕組みは、現状に合わせていかなければいけないという考えに参道できますし、働くことが辛い人生より、楽しく働いて暮らしたいと思います。
そういった世界を目指すためにも、まずは、「一般的な日本人と異なる思考を持つ著者たちは特別だ」という逆差別?のような考え方を見直さなければならないと思います。
大多数の日本人の考え方が正しいなんて、誰も証明できないのですから。
私を含めた大多数の日本人に言えることだと思いますが、まずは、「今の常識は本当に常識か?」ということを疑わなければならないのかもしれません。
常に何が正しいのかを考えて、ブラック企業が〜とか、ワークライフバランスが〜、というような今起きている問題を是正し、みんなが幸せになれる新しいモデルを考える時期が来ているのだと考えさせられました。
みなさんも、もしお時間があれば、ぜひご一読ください。
最後にひとこと。
不安ばかり煽って一方的な発信しかできないメディアは消えてください!
それでは。ごきげんよう。
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